こんにちは、社労士の倉橋です。

今日から11月ということで、冬が感じられる時期となりました。
寒いから鍋がありがたいと思う食いしん坊な私です。

さて、改めてブログによる発信を強化しようと思い立ち
始めていきたいと思います。テーマは医師の働き方改革について。

何故これを書こうと考えたのかというと、

弊社の顧問先様に歯科医院があるため、医療職、つまり医療従事者の働き方について
このところ関心をもっており、職員の皆さんの相談に乗ることもあり
少しでも理解を深めたいと感じたためです。

医療機関の組織として院長以外は、全て女性という人員体制であることも多く
私自身、特に仕事と育児の両立に関わる相談はとても多いです。

今回は、医療従事者の上位にあたる医師や歯科医師の働き方改革について
触れたいと思います。

令和3年5月28日に、「良質かつ適切な医療を効率的に提供する
体制を確保するための医療法等の一部を改正する法律」が公布されました。

この法律は令和6年4月に施行される予定です。主な改正の概要は3つあります。

(1)医師の働き方改革

(2)各医療関係職種の専門性の活用

(3)地域の実情に応じた医療提供体制の確保

今回のブログでは、(1)医師の働き方改革について主に取り上げたいと思います。

医師の働き方改革が行われる背景には何があるのでしょうか。

医療介護ニーズは増加していく一方で、医師の長時間労働などや
深刻な医師不足に陥っていることが挙げられます。

私はこのところ、ツイッターアカウントをつくってまして
医師の方をフォローさせていただくことがあります。

中には、午前中で100人を診察するという業務状況だというような方もいらっしゃって
正直に畏敬の念を抱くとともに、日本では比較的安く質の高い医療が受けられることに感謝するのです。

もちろんこれは例外中の例外なのかもしれません。
私の顧問先では
院長先生に、負担がかかることはないのかもしれませんが、

日本の医療は、医師の犠牲(言葉が適切でないかもしれませんがご容赦ください)
支えられていることは事実としてあり、このような働き方は長く続けるのは困難と感じるのです。

これまでと違う働き方を探したり、別のキャリアに進むという医師も
増えていくのではと思います。

さて時間外労働が年1860時間を超えると推定される医師がいる病院の割合は

厚生労働省が今年、2022年8月17日、社会保障審議会医療部会に
「医師の働き方改革の施行に向けた準備状況調査」を報告したところによると

副業・兼業先も含めた年間の時間外・休日労働時間数が
1,860時間を超える大学病院勤務医は全体の2.4%という結果
に。

(調査対象:5月末~7月初めに大学病院本院と
防衛医科大学病院(82施設)の2,803診療科を対象に実施し、
ほぼすべての施設が勤務医の自院における勤務実績や副業・兼業先の勤務予定・実績を把握。)

昨年、2021年7月に実施された「医師の働き方改革の推進に関する検討会」の結果では
10.4%だったことから、コロナ禍によって行動制限があったためか、
もしくは時間外・休日労働時数が低く見積もられた可能性は否定できないかと考えます。

そもそもの課題として

・病院常勤勤務医の約4割が年960時間超、
約1割が年1,860時間超の時間外・休日労働

・特に救急、産婦人科、外科や若手の
医師は長時間の傾向が強い

・36協定が未締結や、客観的な労働時間管理が
行われていない医療機関も存在する

患者への病状説明や血圧測定、
記録作成なども医師が担当

など、これらが認識されているため、これを解消しないと
日本の医療がまずい状況になる、誰もが安くて質の高い医療を受けられなくなる
事態もあり得る・・・ということから始まったはずです。

さて、医師の働き方改革ですが、具体的な柱としては
長時間労働の医師の労働時間短縮及び健康確保のための措置の整備等になります。

既に一般企業では、時間外労働の上限規制(月45時間、年間360時間、特別条項付きでも年間720時間、
時間外と休日労働合わせても月100時間未満
)がありますが、

現在は、医業に従事する医師には、その適用が猶予されております。
適用開始は、先ほども取り上げたように、令和6年4月1日になっており
その適用に向け、次の措置を講じることが求められます。

・ 勤務する医師が長時間労働となる医療機関における医師労働時間短縮計画の作成

・ 地域医療の確保や集中的な研修実施の観点から、
  やむを得ず高い上限時間を適用する医療機関を都道府県知事が指定する制度
 (特定労務管理対象機関)の創設

・ 当該医療機関における健康確保措置
 (面接指導、連続勤務時間制限、勤務間インターバル規制等)の実施 等

ですが、これだけでは医師の働き方改革が完全に解消できるわけではなく、
まだ他にも考えなければならない点があります。

ですが、今回はこのへんで。

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